kishin 貴真

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20191208

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STRiDAで松山・道後へ Ⅱ

Nikon Df:Voigtländer ULTRON 40mm F2 SLII Aspherical:ISO800 f2.8 1/50

前日に2つの温泉でゆっくりしたこともあってリフレッシュ完了元気いっぱいの朝を迎えた。
まずは湯神社に参拝し、良い湯と美味しいものにありつけるように願う。

Nikon Df:Kenko MC SOFT 45mm F4.5:ISO3200 f6.3 1/40

そして早速、温泉。
今は改装中の道後温泉本館で部分営業をしている『神の湯』を楽しむ。今回は二度目となる神の湯だが、ここの湯釜の堂々たる佇まいは健在で独特の居心地の良さがここにはある。日常の銭湯として利用できる付近の住人たちが羨ましい。

Nikon Df:Kenko MC SOFT 45mm F4.5:ISO3200 f6.3 1/40

私は、『山田屋まんじゅう』が大好物である。

その最初の出会いが、山田屋まんじゅう道後店。ここでいただいた《玉露 –しずく茶–》が格別に美味しくて、玉露の旨味・甘味とはこういうものなのかと感銘を受けた衝撃は忘れられない。五煎ほどいただいた後に茶葉をポン酢でいただくというのも初めてであった。その時に添えられていたのが山田屋まんじゅうで、この小さくも洗練された薄皮饅頭は、その後広島に住むようになっても近くの出張店で購入して好んで食べることとなった。
無論、この日も湯上りの静かなひと時を過ごさせてもらった。

Nikon Df:Voigtländer ULTRON 40mm F2 SLII Aspherical:ISO200 f2 1/4000

前日、ぶらぶらしている時に「セキ美術館」という案内看板を目にしていたので、この日はそこを探して訪れてみようと思っていた。その道すがら、猫に会う。たまに、2万年くらいずっと毛繕いをしていないようなこうした野良猫に遭遇するのだが、その別格の存在感たるや仙人っぽくてカッコイイ。

住宅街の一角にある『セキ美術館』は小振りながらも粒揃いの作品を鑑賞できる良い美術館であった。私としては、今まで知らなかった画家 山田茂人の〈花〉という作品に強い感銘を受けた。

そして、一階に設置されているPOLYPHON社の大型オルゴールの音色が素晴らしかったのも印象的である。ゼンマイ(?)を巻いて、1ペニー硬貨(だったかな?)を入れると動き出すというジュークボックス的な構造になっていて、係の方にお願いすれば実際に演奏して貰えるので、ここを訪れるならその音色も楽しむと良いだろう。全体の構造や側部の硬貨投入口を興味深く見ていたら「入れてみます?」と硬貨一枚を渡してくれた。こうしたちょっとした配慮は体験の質を高める嬉しいものである。

Nikon Df:Voigtländer ULTRON 40mm F2 SLII Aspherical:ISO200 f4 1/400

お昼時になり、宇和島鯛めしの食べ比べをすることにした。

この日は、鮮魚料理と言えば寿司屋だろうということで、松山市駅にほど近い『味暦 正生』という寿司屋を訪れた。ここでは「宇和島鯛めし」ではなく「活鯛めし」となっていたのがこだわりを感じるところ。早速注文し、熱いお茶を飲みながら待つ。出て来たそれは前日に丸水で食べたものとはやはり細かい点で異なり期待が高まる。

タレと卵を混ぜ、鯛刺と薬味を投入してしばしの間馴染ませる。そして熱々ではないご飯に乗せて喰らう。鯛の身が締まっていてブリッブリで言うこと無し。海苔が効いているのも良い。一口ごとに大葉を巻いてみたり、ワサビ有る無しを楽しんだりと寿司屋の活鯛めしを堪能した。茶碗蒸しが付いているのも嬉しいところ。味覚は人それぞれだが、個人的には正生さんの活鯛めしの方が好みの美味しさであった。しかも、丸水の半値以下の1,320円でいただけたのだから満足至極である。

愛媛県美術館 千住博展

昼食の後、腹ごなしに愛媛県美術館で千住博展を鑑賞してから、奥道後に向かう。

Nikon Df:Ai Micro-NIKKOR 55mm F3.5:ISO3200 f3.5 1/15

“奥” というのが秘境っぽくてそそられる響きである。途中、『石手寺』に立ち寄ったのだが、何とも摩訶不思議な場所であった。49体の小さな地蔵が立ち並ぶ洞窟、そしてその先はζδλωΔξΘΛψ。

Nikon Df:NIKKOR-N・C Auto 24mm F2.8:ISO200 f5.6 1/160

STRiDAで市街地を抜け郊外に向かい、ちょっと山間に入ったところに位置する奥道後。そこにある『壱湯の守』に到着。その外観の “奥感” は相当なもので、「営業してるのかなぁ?」という不安さえ脳裏をよぎるのだが、入ってみると館内は特に変哲もない地方旅館という趣きであった。

山に面した露天浴場は郊外ならではの広さで、奥の山に抱かれて湯に浸かる露天感がもの凄い。
西日本最大級の大露天風呂というのも伊達では無い。

入館前に感じた「大丈夫か?」という思いを申し訳なく思い反省しながら日没まで大きな各種露天風呂を余すところなく満喫させてもらった。陽が落ち、より暗く重くなった奥の山を包む群青の空に浮かぶ銀色の三日月が尚のこと、道後市街にある温泉では感じられない硫黄の香りとも相まって、露天感をより味わい深いものにしてくれ、色々なことに思いを馳せるよい時間をもたらしてくれた。

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