現在乗っているSTRiDA(ストライダ)は4代目で、2021年11月に購入したもの。気がつくと後輪に搭載されているスプロケット(ベルトの駆動力を車輪に伝えるための歯車)の歯が磨耗して瀕死の状態に追い込まれていた。
購入してから2年半での交換となった。本来は街乗り程度の用途を想定されているSTRiDAを、私の場合は輪行を含めてかなり遠出にも使っていることもあり、ちょっと早めの交換時期になっていると思う。
4代目だが、今までスプロケットの交換はしたことがなかったので、まずは自分で交換できるレベルの作業内容なのかどうかを確認するために作業工程を調べてみる。STRiDAの修理情報はネットを検索しても意外と少ないので国内外の限られた情報を集めてみると、だいたい以下のような手順になることが分かった。
❶ベルトを緩める。
❷後輪側のブレーキキャリパーを外す。
❸後輪の中心にあるボルトを外す。その周辺はスペーサーなど細かい部品が多く重なっているので失くさないようにし、組み立て順や裏表もメモしておく。
❹タイヤ/ブレーキディスク/フリーホイールのユニットをゴソッと引き抜く。
❺フリーホイール(スプロケット)を専用の工具を使って外し、新品と換装する。
❻逆順で組み立てる。
STRiDAのスプロケットはフリーホイールユニットの形で構成/提供されており《ALLOY FREEWHEEL ST-FW-001》という商品名でamazonなどから簡単に入手できる。注意点としては❶~❹までの行程はSTRiDAに付属の(あるいは一般的な)六角レンチだけで行えるのだが、❺でフリーホイールを取り外す作業は専用の工具を使う必要があるため、私は以下の3点をヨドバシ.comで入手した。
●Park Tool FR-6 [フリーホイールリムーバー]
●TONE 4DB-32 [ソケット 差込角12.7 対辺1inch]
●TRUSCO TSSH4-380 [ソケットレンチ 差込角12.7 380mm]
部品に適合しない工具を使って無理やり強い力をかけたりすると、滑めてしまって取り外し不能に陥ったりすることもあるので、雑にせずに多少のコストは受け入れて安全に作業を行いたい。
FR-6の4箇所の凸形状をフリーホイールの4箇所の凹形状に合わせて差し込み、4DB-32ソケットをかぶせて、ソケットレンチを用いてテコの原理で強い力で回転させることで、硬く締まっているフリーホイールを安全且つ容易に取り外すことができる‥‥と考えていた。
早速、取り外した車輪から古いフリーホイールを外そうとするが極端に硬く締まっており全く回転する気配がない。ソケットレンチを使用すると、円に対してどうしても力の入り方に偏心が生じてしまうため、極端に強い力を入れるとフリーホイールからリムーバーが外れて上手くいかない。何度か挑戦するも、この単純な方法では不可能だと判断した。
そこで、力の加わり方に偏りが生じない方法を考えた。
事前リサーチで見ていたYouTube動画を参考にした方法である。
まず、FR-6リムーバーをテープで固定したソケットレンチを作業テーブルにC型クランプでガッチリと固定して、そこにタイヤユニットを乗せて上から押しつけながら回転させる。テーブルにまたがった状態で全体重をかけて固定し、車のハンドルを回すように力を加える方法を採ってみた。この方法ならば、左右の手で最大限の力を入れられるし、中心を意識した力の加え方もできる。
この方法でも恐ろしく硬かったが、軽い眩暈を起こしながらも自分を信じて180%の筋力で回転させることでようやく回ってくれた。車輪の構造上、乗れば乗るほどネジが締まっていく箇所なので想像を遥かに超えた硬さだったが、少し回ってくれたら後は簡単で、スルスルと回転させて古いフリーホイールを取り外すことができた。
ちなみに、ブレーキディスクは特に固定されておらず簡単に外れる。
ホイール側の花形の凸部にブレーキディスク中央の花形の凹みをはめ込んで、それをフリーホイールユニットで強く挟み込むように固定する構造となっている。
比較するまでもないのだが、取り外した方のスプロケットは歯の先端が鋭利なナイフのようになってしまうほど磨耗している。本来ならば、もっと早くに気がついて交換すべきだったのだろう。今後は、定期的に行なっているタイヤ圧のチェックや車体のクリーニングと共に、スプロケットの摩耗度チェックも実行するようにしたい。
ちなみに、STRiDAのスプロケットの仕様について、パッケージ裏面には『SPEC : 8mm x 30T』と表記されており、歯数は30枚で、間隔は8mmとなっている。
金属製のスプロケットが磨耗しているということは、削られた微細な金属粉がベルトに大量に付着しているということでもあるので、この機会にベルトも取り外して軽く清掃してから組み直した。本来であればベルトとスプロケットは同時に交換するのがベストであるらしいのだが、ベルトに関しては交換してから1年しか経っておらず損傷や過度の劣化も見られないため今回は使用続行とした。
STRiDAはチェーンではなくベルト駆動なので油を注す必要がない。そのため「メンテナンスフリー」という言葉で紹介されてしまうのだが、これは完全に間違いである。ベルトに関しては、納車直後は確かにキレイだが、乗っているうちに黒い汚れが溜まるようになり、指で触れば黒くなるし、ワイドパンツを履いていれば裾が汚れることもある。つまり、STRiDAは全然メンテナンスフリーなんてことはなく、他の自転車と同じで乗っていれば損傷もするし経年劣化や磨耗もするので定期的に各所のメンテナンスが必要となる。
4代目STRiDAはここ半年ほどで立て続けに色々とガタが来て、サドル交換、前後のタイヤ交換、後ろブレーキワイヤー交換、ブレーキパッド交換、そしてフリーホイール交換をしたので、現在は全体的に状態が良くなっていて気持ちがいい。春から秋まではSTRiDAが大活躍する季節なので、日々のメンテナンスを怠らずにいつでも快適に乗れるようにしておきたい。
交換作業終了後、問題なく交換できているかを確認するために、宇品港まで慣らしサイクリングをしてきた。最近新設された広島港クルーズターミナルで謎の記念撮影をしてから、不具合もなくすっきりとしたペダリングで晴天の中をのんびりと帰ってきた。