
STRiDAの純正アルミニウムフリーホイール《ST-FW-001》がモデルチェンジされて《ST-FW-002》として入手できるようになっていた。
2024年5月に交換したフリーホイールの歯が1年半を経て磨耗していたので、限界状態になる前にストックしておいたST-FW-001と交換した。そして今後の予備として近所のサイクルベースあさひで発注をかけたところ、ST-FW-001は廃盤となり、後継品としてST-FW-002が来た。

パッと見で新しい方がカッコイイ。
ST-FW-001は分かりやすく前世代的な設計で、歯の部品とフレームの部品とは別々に製造されておりボルトで組合わせる構造であるのに対して、ST-FW-002の方は歯とフレームが一体成型されている。かなり現代的な加工・製造技術を前提として設計されているように見える。
このモデルチェンジでは厚みも変更になったようで、STRiDA LTに使用する場合には、付属のワッシャーを使用する必要がある旨を取寄せ時に教えてもらった。持ち帰ってパッケージを開けて確認するとフリーホイール本体の他に、1.3mm厚くらいの黒いワッシャーが入っていた。

新旧モデルで比較してみると、なるほどST-FW-002の方はワッシャーを組合わせることでST-FW-001と同じ厚みになることが見てとれる。設計的になぜ厚みの変更をしたのかは不明だが、今後のSTRiDAの新モデルで車軸周りの設計変更がなされる前兆なのかもしれない。

重さについてはあまり変わっていないようだ。
ST-FW-002の新品はワッシャーを除く本体のみで232g、ワッシャーは2.5g。ST-FW-001の使用済みは234gだが、無くなった磨耗分が仮に10gだとすると244gなので、4%弱というほぼ誤差の範囲で軽量化がなされたということになる。
そして、このモデルチェンジで最も大きな変更点は “音” だろう。
STRiDAのフリーホイールは、ペダルを漕いでいないフリー回転時には「チャチャチャチャ‥‥」というよくあるラチェット音がするのだが、新しいST-FW-002ではフリー回転時の音はほぼ無く、ごく小さい音で「ココココ‥」と聞こえるが街の雑踏の中では無音となりそうだ。
ただし、新品のため内部にグリスが充填されていることで音が鳴りにくいだけで、使用しているうちにグリスが抜けて音が出るようになっていく可能性は十分にあるので、仕様変更による静音化かどうかは使ってみないと正確な判断はできない。
このラチェット音はあまり大きすぎるのも迷惑だと個人的には思っているが、あまりにも静かなのも考えものだと思っている。それは、自転車の場合、歩道を通ることもあるのだが、歩道いっぱいに広がって歩いている人が、後ろから来る自転車のラチェット音に気がついて少し道を空けてくれるということがあるのだが、あまりに静音だと存在に気づかれずにこれが期待できないように思う。近年のよく出来た電気自動車もそうだが、走行音があまりに静かだと、すぐ後ろまで近づいているのに気が付かないでビクッとさせられることもあるので、事故防止のためにも乗り物には多少の走行音は必要だと感じている。

パーツ自体の高品質化の印象とは逆に、パッケージはチープになった。
ST-FW-001ではしっかりとしたコーティング紙にフルカラー印刷で、ロゴや商品名やイラストのシルエットなど部分的にツヤ加工もされており、商品が見えるように窓まで開いている凝った作りだ。対してST-FW-002ではダンボール地にお世辞にも高品質とは言い難い2色刷りとなっている。型番が書かれていなければ、ほとんどの人は新旧を逆に認識するだろう。
最後に価格について。今回、サイクルベースあさひで取り寄せたのだが、14,190円だった。前モデルは8,900円くらいで入手できていたと記憶しているので、大幅な値上げとなっている。これが、設計変更によるパーツとしての品質向上に依拠しているのか、近年の物価高の影響なのかは知る由もないのだが、お会計の時にただただ「恐ろしいな」と思った。今後は歯が磨耗しないようにできるだけペダルを漕がずに乗ろうかと半ば本気で思案中である。