20240807

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珈琲周辺のあれこれ

FUJIFILM X-E1:PANAGOR PMC AUTO MACRO 90mm F2.8:ISO1250 f2.8 1/250

10年ほど前に大規模な断捨離を実行して所有物を可能な限り最小に近づけた。その後で改めてやはり必須と判断した物を再度入手したのだが、その最初の物が珈琲を淹れるための一式だったことはよく覚えている。

当初は、お湯に溶かすだけのインスタントコーヒーで済ませていたのだが、やはり珈琲だけは毎朝挽き立ての美味しいものを飲みたいということになり、コーヒーミルとドリッパーの二品を手に入れることにした。

ちなみに、私は珈琲をハンドドリップする際には小さなミルクパンに湯を沸かして、そこから木製のスプーンでお湯をすくってドリッパー内の珈琲豆に注ぐ方式をとっているので、ケトルは必要ない。この方法の良い点は2つあって、ひとつはスプーンで注ぐと狙った場所に的確に落とせること。もうひとつは、スプーン何杯と決めておくことで毎回かなり正確に同じ分量のお湯で淹れることができるため、珈琲の味わいを一定に保つことができる点である。

そうして数年使っていたコーヒーミルとドリッパーがこの数ヶ月で立て続けにダメになった。

コーヒーミルは手軽でコンパクトなHARIOのMSS-1TBを使用していたのだが、セラミック製の臼がいよいよダメになって挽くのに時間がかかり微粉も増えて、淹れた珈琲の味わいに豆のポテンシャルが引き出せていないような違和感を感じるようになった。分解清掃をしても改善しないため臼の寿命と考えて新調する。

せっかくなので今度はステンレス製の臼を搭載したミルから選ぶことにした。
コンパクトで使い勝手が良さそうな製品をピックアップすると、TIMEMORE C2とかC3というのが良さそうなのだが1万円くらいする。価格なりの満足感はある商品なのかもしれないが、もうちょっと手頃なものがよいのでamazonで探してみると、半値くらいで同じような仕様の商品を見つけたのでこれに決めた。

amazonにありがちなよく分からないメーカーの商品ではあるのだが、その割に評判がすこぶる良いので駄目元で購入してみたところ、当たりだった。届いた商品は、特に手抜きで製造されているような感じもなく、アルミニウム製のしっかりとした本体、ガタつきもなく嵌まるフタとスムースに回転するハンドル、清掃用のブラシも付属している。

実際に使ってみても好印象は変わらなかった。
ザリザリザリザリとパワフルに短時間で挽いてくれて、仕上がりは大きさの安定した粒度。挽き加減を調節するツマミもクリックがしっかりとしていて操作しやすい。420gの本体は表面に縦ストライプ状の凹凸があり握りやすくて滑りにくい点もとても使い勝手がよい。

使い始めたばかりなので耐久性については不明だが、私はこのコーヒーミルで十分に満足のいく珈琲を愉しめている。

そして、ドリッパーは「紙フィルター不要」という謳い文句の商品を入手してみたが、紙フィルターを使わないと淹れた後の珈琲豆の処理が面倒なので、いままで通り紙フィルターをセットして使うことにした。よって特に使い勝手に変化はない。

よく、紙フィルターを使うと「紙の匂いが移る」と主張している人がいるが、珈琲関連商品を扱っている大手メーカー製の白いフィルターを使ってそうした紙の匂いを感じたことは無い。それって単に100均やスーパーのプライベートブランドなどで売られている製造品質の低いフィルターや未晒しの茶色いフィルターを使っているからではないのか、と思っている。

コーヒーミルの質が向上したことで、珈琲の味わいも明らかに改善されたのが嬉しい。
セラミック臼のコーヒーミルは安価で手軽なので多くの人が使っていると思うが、その一方でプロ用のコーヒーミルがステンレス製の臼や刃を搭載している理由が、実際に珈琲を淹れてみて実感できた。挽いた粒の大きさの均一性や断面の鋭さ、微粉の少なさははっきりと味に反映されるようだ。

今、自分で淹れている珈琲の味わいに満足していない人は、セラミック臼からステンレス臼のコーヒーミルに変えてみるだけでも随分と違いが出るかもしれない。

美味しい珈琲から始まる一日はやはりイイ。

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