kishin 貴真

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20160629

/THINK

さよなら Evernote

Evernote

簡単な記録のために使用していたEvernoteの仕様が変更となった。

私の使い方はシンプルで、基本的にテキストだけを書き留め、時々画像やPDFを添付する程度なので、無料プランの『ベーシック』で事足りていた。これで、Mac、iPhone、iPad間でデータの編集・閲覧を問題なく行っていた。

しかし、本日発表されたEvernoteの仕様変更によって、ベーシックプランで使用できる端末数は “2台まで” に制限されてしまったため、今後の使い方の検討を突如迫られることになった。

今後はどうするか?

選択肢のひとつは、Evernoteの契約プランを有料の『プラス』にアップグレードすること。
もうひとつの選択肢は、別のAppに乗り換えることとなる。

実のところ、近年のEvernoteには違和感を感じていた。
初期の頃はシンプルで良かったのだが、次第に(使わない)機能が増え、動作が重くなり、度重なるUI変更によって、使い勝手が複雑になってきていることで、「そろそろシンプルなAppを探そうかな…」と考え始めていたのだが、その矢先の仕様変更となった。これは、乗り換えを促す兆候だろう。

自分の使い方を考えると、月額料金を支払ってまで使い続けたいほどEvernoteに心酔している訳でもなく、幸いなことに、今までに作成したノート数も120程度なので、移行するにもさほどの手間はかからないと判断して、Mac/iOS標準の『Notes (メモ)』に乗り換えることに決めた。

Evernote→Notes用の移行ツールもあるようなのだが、機能的に不完全のようなので、少々手間ではあったが、1メモずつ手作業によってコピー&ペーストで移行した。メモ数が膨大ではなかったので、思いのほかあっさりと終了。この作業のついでに、使っていない古いメモを削除したり、フォルダの分類を再検討したりといった全体的な整理も行えたので、これはこれで良かった。

今後は、軽快動作の『Notes (メモ)』でサクサクとメモをとっていこうと思う。

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今回のEvrernoteの仕様変更について思うことは、まず、端末2台というのは少なすぎる。

こうしたAppを使用するなら、パソコン、スマホ、タブレットと最低3台の使用権利は欲しいところであるのだが、それを知った上であえて “2台まで” とすることで、事実上、ほぼ全てのベーシック(無料)ユーザーにアップグレードを促し、その結果、使用料を徴収することを狙っているように思われる。つまり、今後の『ベーシック』プランの位置付けは、今までの “ライトユーザー向け” ということではなく、購入前のいわゆる “試用版” 扱いとする変更に近いのだろうと感じている。

そしてもうひとつ、乗り換えを後押しする理由となったのは誠実さに欠けるという印象から。

長年、無料で提供して活用させておいて、他のAppへの乗り換えが困難になるほどのデータ量の蓄積が行なわれた後に課金するという行為には怖さを感じる。これは、活用していれば活用しているほど、「今まで通り使いたければ黙って料金を支払え」というメッセージにも成り得るし、蓄積したデータを人質に取られているようなものである。こういうやり方には誠実さがない。また、こうしたことが一度でも実施された以上、今後も度々値上げされる可能性があることも意味している。

Appの開発・継続は簡単なことではないことは重々承知しているので、そこに対価を求めることは間違ってはいないと思うが、Appの特性や今までどういったスタンスであったかなどということを鑑みると、今回のEvernoteの仕様変更は、ブランドイメージとしては想像以上に大きな失敗策だったのではないかと感じている。

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