20240116

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Beoplay P2 バッテリー交換

デンマークのオーディオメーカーであるBang&OlufsenのBeoplay P2というBluetoothポータブルスピーカーを使っている。手の平サイズなのに高音から低音までとてもバランスの良い綺麗な音が出るスピーカーで、室内にてBGMを再生するのには必要十分な音質で楽しめている。Bang&Olufsenの専用Appでスマホから音質のカスタマイズができる点も良い。

ただ、リチウムポリマー充電池内蔵による充電式のため、経年劣化によって連続再生時間が短くなってきた。元々の性能仕様としては連続再生10時間のスピーカーなのだが、現在は3時間程度で充電が切れるようになってきたため、新しいバッテリーと交換してみることにした。

手順は以下の通りで、必要な物さえ入手できれば難しいことはない。
❶ 適合する交換バッテリーを入手する。
❷ フロントカバーを外して、内部にアクセスする。
❸ バッテリーを換装して、元に戻す。

❶ 適合する交換バッテリーとしてネットでいくつかの種類が販売されているが、私は早めに入手したかったのと、容量がオリジナルと同じ1100mAhのものが良かったので、その2点を判断材料としてちょっと高いものを選択した。他にも、値段は安いがChina Postでの発送で到着まで2~3週間かかるものや、容量が少なめの900mAhのものなどが入手できるようなので、自分の要望に合うものを選択すればよいだろう。

❷ Beoplay P2のフロントカバーの外し方にはちょっとしたコツがある。最初は分かりにくかったのだが、構造を理解した上で実行すれば簡単に外せるようになる。フロントカバー(金属)とボディ枠(樹脂)の隙間にヘラ状のものを差し込んで慎重に少しだけ隙間を広げるように力を加えながらカバーを掻き出すようにすると外れる。カバーは金属製なので変形しないが、ボディ枠は樹脂製なので力を加えれば多少は広がってくれる。

コツは、まず使用するヘラ状の物はマイナスドライバーやカッターの先などの様に硬くエッジが効いているものだとボディ枠の淵を容易に傷つけてしまうのでNGだ。私は、東急ハンズで購入した『のりヘラ』というステンレス製の小さなヘラを使用して外したのだが、これがちょうど良いサイズ・厚み・硬度だった。

ヘラ状のものを差し込む位置は長辺の中央付近にすること。フロントカバーは4箇所の爪で固定されているが、爪の位置は、長辺直線の終わり=コーナーの始まりあたりの4箇所にあるので、その部分を避けたところにヘラ状のものを差し込んで丁寧にカバーを取り外す。

❸ バッテリーにアクセスするためには、内部カバーにある7箇所のネジを外す必要がある。このネジは特殊な形状でトルクスネジと呼ばれる六角星型のもの(サイズはT6)であるため、通常のプラスドライバーや六角レンチでは扱えない。私は各サイズのトルクスドライバーを持っているので問題なかったが、持っていない人のためにトルクスドライバーとバッテリーがセット販売になっている商品もあるようなのでこれを入手できれば無駄がなさそうだ。

この時、注意が必要なのが、商品説明に「お得な工具キットが付属」とあっても、必ずしもBeoplay P2の分解作業に適合した工具ではない可能性があるということで、実際、私が購入したバッテリーにも2本の簡易ドライバーが付属していたが、どちらもBeoplay P2には使用できないものであった。

7箇所のトルクスネジを取り外してからパカッと開ければバッテリーにアクセスできるのだが、この内部カバーとさらに奥にある基盤は数本のコードで繋がっているので雑に開けて破損しないように注意する必要がある。

バッテリーは裏側で軽く両面テープによって固定されているだけで、でんっと中央に鎮座して白いコネクタで基盤に接続されているので、バッテリー本体を持ち上げて外してから慎重にコネクタを引き抜いて、新しいバッテリーを乗せてコネクタを再接続する。コードの長さが違うのは仕方ないので上手く取り回す。

念の為、この段階で電源を入れたり充電したりしてみて正常に動作するか確認しておくのが良いだろう。問題なく動作したら、あとは逆順で組み直せばOKだ。

ちなみに、バッテリーにアクセスできる段階ではストラップループにもアクセス可能となる。ということで、劣化してガサガサになっていた本革ストラップの交換もついでに行ってみた。

新しい革紐は東急ハンズのレザークラフトコーナーで調達してきたもので、直径2mmのナチュラル色のもの。本当は、オリジナルと同じライトグレー色の革紐が欲しかったのだが店頭にはナチュラル/ブラウン/ブラックしかなかったため、ボディのサンドストーン色に似合うナチュラル色にしてみた。それと、オリジナルは少々長めで扱いにくかったため、自分好みの長さで取り付けてみることにした。

また、ストラップに付いているB&Oロゴのついた金属製のチャームが「本体を傷つけそうだなぁ」と扱うたびに軽い心理的ストレスになっていたので、この機会に取り外して、オリジナルの革紐と一緒に保管しておくことにした。

Beoplay P2のバッテリー交換は、分解修理というほどでもない低難易度の換装作業だが、傷つけないように作業するには要所々々で多少の慎重さは必要となる。

なお、バッテリー容量に関してオリジナルは1100mAhで、換装したものも1100mAhなので仕様的には同等なのだが、なにしろ謎メーカー製なのでオリジナルほどの性能は無いだろうと過度の期待はしていなかったのだが、私の使用環境では意外にも8時間弱も再生できる状態にまで改善された。劣化したものは3時間で尽きてしまっていたので、換装の効果は十分にあったとして満足している。

ストラップも新しく且つ取り回ししやすくなり、バッテリー寿命も大幅に改善されたので、Beoplay P2にはこれからも日々様々な音楽を奏で続けていってもらいたい。

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