Nikon DfでM42マウントのオールドレンズを愉しむために入手した2種類のマウントアダプターだが、まずは、無限遠調整のための補正レンズの無い素通しのマウントアダプターを介してSMC Takumar 55mm F1.8をNikon Dfに装着してみる。
メーカー不明のアダプターなので期待はしていなかったのだが、撮影に支障をきたすようなガタつきもなくしっかりとマウントできて一安心だ。レンズの絞り動作、フォーカス動作もスムースで全く問題はない。
私が購入した物は、マウント面の厚さは1mm程度なので、装着してしまうと外見からはレンズを直接カメラに装着しているのと変わらない見た目となる。無論、補正レンズ無しなので無限遠は出ずに、1.75mほどの位置が最長の合焦点となった。最短はおよそ40cm。なお、正確な測定はできないが、画角は1.2倍の66mmレンズ相当になるようだ。
ちなみに、装着目印となる赤い●マークは購入時点ですでに剥げかかって薄かったので、アクリル絵具で塗り直してクッキリさせた。
ピント面は線が細くきっちりとシャープでありながら、空気を含んですぅっとボケて溶けていく感じがとても心地よくて、破綻の無い階調の豊かさを感じる。その描写特性はソフト系フィルターとの相性も良くて、ロー・コントラストNo.1を付けてちょっと彩度を落としたモードで撮影すると、静かでやさしい雰囲気が得られる。
複数の画角のTakumarレンズを使ってみた印象として、この感覚は、SMC Takumar 55mm F1.8に限らず、タクマー全体に云える特徴のようだ。個人的にはとても好みである。