天気の良い午前にふらりと神社に赴く。眼を休めるために、自然を感じるために、神社を抜けた奥にある小山に登って高台にある社に向かう。
木漏れ日に足を止め、鳥の鳴き声に足を止め、眼前を舞う蝶の羽ばたきに足を止め、足元の枯れた植物の造形美に足を止めて、のんびりゆったりと写真を撮りながら登れば、この季節の気温であれば汗もかかず快適に登頂することができる。
Nikonのデジタル一眼には自分で設定したカスタムトーンカーブを登録して撮影画像に適用することが可能で、上の写真は特に気に入っているトーンカーブを使って撮影している。
このトーンカーブは『Silver』と名付けているのだが、私の中でのイメージとしての “銀塩写真” というのはこういうトーンのものである。私はフィルムカメラを使った経験も無く、その特徴もフィルム現像の技術的な知識も、教養程度さえにも持ち合わせていないので、あくまでもイメージであるが、「あぁ、なんとなく分かるわぁ」と共感してくれる方もいるだろう。
トーンカーブとしてはこのような曲線を描いている。かなりクセの強いカーブなので使いこなすのは難しいし、シチュエーションによっては全く使い物にならないのだが、コントラストが控えめでいてハイライト部分が明確であるような、そういうはまるシチュエーションでは凡庸な被写体でも、非常に魅力的なずっしりと重く強い画として見せてくれる点はイイ。
神社を後にする時、賽銭箱の前に立ったものの特に願い事も思い浮かばなかったので、「よろしくお願いしますように」と雑なお願いをしてしまった。神様に「なんだあいつ」と思われていなければよいのだが。