久しぶりにひろしまドリミネーションを見に行った。
イルミネーションでライトアップというのは各所で行われていることで色々なデザインがあるのだが、結局のところ、シンプルに1色で、けれど球数が非常に多く緻密な印象を受けるものが一番綺麗だよなぁと思うのがいつもの事で、これは個人の感性の問題に過ぎないが、今回はお喋りをする1000歳のグリーンウッドマンに初めて会ったことでこういったイベント性のある見せ方も面白いなと、発想が広がった。
現在は、決められたセリフを喋るだけだが、将来的にはAI技術と融合して、例えば会いに来た人と会話をして悩みの相談に乗ったり、ホログラム技術と融合して、会話の最中に周囲に別のグリーンウッドマンがにょきにょき生えてきて会話に参加したり、近接ネットワーク技術と融合して、会いに来た人だけが素敵な何かをスマホで受け取れる、そんなイベント性の可能性も秘めているなと無秩序に考えを巡らせるだけでも楽しい。
イルミネーションといえば、最近入手したKenkoのフィルター《BlackMist No.1》と《BlackMist No.05》の出番である。実はまだ夜間にこのフィルターを使ったことが無かったのでドリミネーションで使ってみた。
ブラックミストは望遠側の方が効果が出やすい特徴があるということなので、広角のVoigtländer COLOR-SKOPAR 20mmには効果の強いブラックミストNo.1を装着し、標準域のVoigtländer ULTRON 40mmには効果が弱いブラックミストNo.05を装着して撮影した。Nikon Dfは高感度でも低ノイズで撮影できるのでこうした被写体には心強い。
どちらのブラックミストも光源の芯を残しつつ、ほんのりふわりと光を拡張させてくれるので、イルミネーションの幻想的な雰囲気を、現場での見た目の印象のまま記録に残せる感じでとても魅力的だと実感した。ひと言で言うなら、デジタルの硬さ冷たさが抜けて「写真が優しくなる」という感じ。
夜にぽつりと存在するメリー・ゴー・ラウンド。
そんなシーンは映画などで繰り返し使われてきたビジュアルであるが、ひろしまドリミネーションにもメリー・ゴー・ラウンドがあったので “ぽつり感” を強調して撮影してみた結果、とてもいい感じのショットになったのでこの日は満足して、寒空の中、家路についた。