台風が近づいている時に感じる世界が脈打っているような、巨大な何かに圧倒されるような、そうした肌感覚が結構好きで、そんな時の空模様もまた普段とは異なる格別な表情を見せてくれることが多く魅了される。
特に、Nikon Dfを手にしてからは、撮像素子の大きさゆえのノイズの少ない豊かで自然なグラデーション描写でまさにこうした空模様をしっかりと捉えてくれるので撮影していて実に気持ちが良い。最近手に入れた古いレンズAi NIKKOR 28mm F2.8の使い勝手を試す目的も兼ねてSTRiDAに乗って川辺に向かった。
刻一刻と変化する雲と力強く吹く風を汗ばむ湿度の中で堪能しながら帰る途中、川に向かう白猫が遠目に見えた。その後を追いかけるように川に向かう階段を降りる茶トラの猫が目の前に見えた。私も三匹目のフリをしながら川に向かってみたのだが、やはり無理があったようだ。
「お前は三匹目じゃないだろ」と言わんばかりの眼でなんかすごく見られた。
二匹にすごく見られた。