kishin 貴真

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20200501

/DESIGN

Kyash Cardを作ってみた

キャッシュレス決済が推進され始めてからこちら、多様なる “ふにふにPay” の濫立や、様々なコンタクトレス決済が登場してきている中、サービスの利便性やポイントの高さという点だけではなく、物理カードのデザイン性でその界隈では話題になっているらしい『Kyash』が気になったのでカードを作ってみた。

私の場合は、このカードがきっかけでKyashの存在を知ったのだが、簡単に言えば、今まで使用していたクレジットカードをKyash Cardに変える(紐づける)だけで1%のポイントが “追加で” 貰えてしまう、まさに使わないと損という感じのKyash、詳しいことは公式サイトにあるので割愛しよう。

Kyash Cardを申請したのが4月9日で、簡易書留で到着したのが5月1日なので、発行には3週間ほどかかった。なお、カラーはNavy、Silver、Pinkの3色から選ぶことが可能で、私はネイビーと迷った結果シルバーを選択した。

実物のカードの印象はとても良い。

券面はミニマルで、「そうそう、コレで良いんだよ」という感じ。情報がゴチャゴチャ配置された上に、背景にはイラストやら無用の模様やらで汚染されているカードがなんと多いことか。そのことをずぅ~~~~~と感じ続けてきた私にとっては、このKyash Cardのデザインのあり方が業界全体の意識の変化に結びついてくれたら嬉しいと思う。のだが、シンプルにするのは実は誤魔化しが効かなくなる分とても難しいのも事実なので、特に文化途上国の日本の場合には、このプロダクトデザインの感覚が急速に広まることは期待できないだろう。

シルバーの色味については、AppleのiMacやMagicTrackpadなどの色味に近い。とはいえ、残念ながらKyashの方はアルミニウムではなく樹脂なので相応の質感なのだが、逆に言えば、金属素材を使っているわけではないのだが、なかなか良く作られていると思う。

Appleといえば、日本にはまだ上陸していないが『Apple Card』というものが存在している。こちらは更にミニマルなデザインで、しかも素材はチタン系の金属素材なので日本でも展開される日が来たら間違いなく申し込むだろうカードである。なお、券面がすっきりしている点、メタルっぽい雰囲気、一般のクレジットカードとは上下を反転させている仕様など、Kyash Cardのプロダクトデザインは多分にApple Cardを参考にしているのは間違いなさそうだ。

Kyash Cardは、磁気ストライプ、ICチップのほか、VISAタッチ決済(NFC決済)にも対応しているので、対応店舗であればコンタクトレスでさくっと決済できるのも嬉しい点だろう。早速、近所のスーパー(マックスバリュ)とマクドナルドで、Kyash CardのVISAタッチ決済を使ってみた。

お会計時に「クレジットで」と伝え、カードリーダーの準備ができたら、カードリーダー上部にKyash Cardをかざす。この決済処理のスピードが想像以上に早くてあっという間に完了してしまい、ちょっと拍子抜けした。カードを差し込んでICチップでやり取りする場合には6~7秒間待つ印象なのだが、VISAタッチ決済ならば0.5秒とかからずに処理されるのだから使い勝手は格別である。

ただ、ひとつ気になる点がある。それは、決済時の音である。

カードリーダーが読み取った時に鳴るのが「プーー」というあまりにも特徴の無い音であるがために初めて使用した時には「ん? エラーか?」と思ってしまった。WAONの「わぉんっ」とかPayPayの「ペイペイッ」みたいなのも気恥ずかしいのでどうかとは思うので、ハイテンションの「Kyash Yeah!!」みたいなのは全く望まないが、「ティロリン♪」程度でもいいので何か “エラーっぽくない音” に変わってくれたら良いなとは思う。

Kyash Cardは、専用スマホAppで利用額制限や一時的なロックなど細かいコントロールができたり、不正使用防止のためにオンライン決済のみをオフにできたり、決済後にリアルタイムで通知されたり、Kyashユーザー間で送金できたり、デビットカードをVISAカード化できるなどのメリットがある反面、多くのホテルやガソリンスタンド・毎月のサブスクリプション払いには対応していなかったり、スタバカードのオートチャージに設定できなかったり、3Dセキュアには未対応であったり、不正使用の補償が無かったりとデメリットも色々とあるので、導入する際には自分の使い方に合っているかどうかをしっかりと検討することは大切だ。

私の場合には、デメリットはほぼ問題にならないので、今後はKyash Cardをメインの決済手段として使用していくことにした。

ちなみに、KyashはApple Payにも対応しているのだが、私が使用しているiPhoneは、トボケた顔で「あっぷるぺいってナニ?」と聞き返してきそうなほど古代の機種「5s」である為、Apple Pay対応を活かせないのは残念。iPhone6以降続いてきた中華端末のようなメリハリの無い丸っとしたプロダクトデザインがどうしても気に入らずにここまで来てしまったのだが、次期iPhone12ではようやく丸っとデザインから解放されてソリッドデザインを取り戻すらしいので、機種変更後には更にKyashの使い勝手も増すことになるだろう。今秋が楽しみだ。

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