kishin 貴真

20220703

/DESIGNTHINK

ハンディファンで0.5℃問題に終止符

エアコンの季節が今年もやってきた。仕事中はずっとエアコンで室温調整をしているわけだが、毎年の悩みとなってるのが『0.5℃問題』である。数学の世界では、『コラッツ予想』や『グラハム問題』といった未解決の難題が多数存在しているようで、グラハム問題にいたっては、その関連資料を見ると数学というよりも何らかの “楽譜” のように見えてしまうくらい、もはや問題の意味さえも理解できないのだが、それと同じくらいの難題として、0.5℃問題が私の夏の課題であった。

問題はこうだ。エアコンを27℃に設定すると暑いので26℃に下げる、すると今度は寒くなってしまうので、また27℃に上げる…この無限ループ。結論として26.5℃が私にとっての最適温度なのだが、0.5℃刻みの設定はできないため、この上げ下げ操作を日に何度も行わなくてはならず、26.5℃に設定できるエアコンに買い替えない限りこの難題は解決不能だと諦めていた。

ところが先日、ひとつの小さなアイテムの発見でこの問題が解決してしまった。
無印良品《充電式コンパクトハンディファン MJ-HF2》がそれである。

無印良品でレジに並んでいた時に、待ち時間にレジ前に展示されていたこの小さなハンディファンを何気なく触ってみた。この手のファンを使っている人は街中でもよく見かけるのだが「そんなに小さいのが涼しいのかい? 気休めかい? 買ってしまった以上無理にでも使わないと元が取れないと意地になっているのかい?」などとちょっと意地悪な目で見ていたのだが、ゴメンね。実際に使ってみると、想像もしていなかった風量が噴き出してきて吃驚してしまった。

レジに並んでいたことも忘れて、風量をいろいろに変えてみたり、折り曲げた時の角度や安定性はどうだろうと試したり、展示パネルには記載が無かった動作時間の情報をネットで探したりと、急に即購入モードに入っている自分がいた。

という経緯で衝動買いしたハンディファンが、最近のデスクワークの善き相棒となっている。公称値で7時間動作する風量「弱」でも40cm程度の距離なら十分に空気の流れを起こして体感温度を下げてくれる。結果として、今まで暑いと感じていたエアコン27℃設定がちょうどよく感じられるようになり、設定温度の上げ下げ無限ループから脱することができたのは本当にありがたい。

前面グリルが取り外せず、内部の回転羽の掃除が難しい構造となっており、メンテナンス性の悪さという点は気になる。ただ、安価且ついずれ劣化する充電式という仕様から推察するならば、メンテナンスをして長期間使ってもらう製品というよりは、ある程度で買い替えを想定した製品コンセプトなのだろう。そう考えると、分解できない構造=製造コストを抑えられるという判断も間違いとは言えないだろう。

なお、このハンディファンのレビューでおそらく最も多いネガティブポイントは、「鞄の中で勝手に電源が入っている」という問題で、電源ボタンの反応が良すぎるようだ。それを回避するために、私は鞄に入れて持ち歩く際にはDAISOで購入した《衝撃吸収パッド》を電源ボタンの上に貼っている。

このφ3cm・厚さ5mmのパッドは簡単に着脱可能な粘着素材で繰り返し使えるものとなっており、鞄の中でファンの電源ボタンが押されてしまうのをある程度は防いでくれることを期待して使い始めた。実際、これを始めてからは鞄の中で動作したことはない。ただ、本来は製品側で「OFFからONへの操作は電源ボタンの長押し」という仕様に変更すればほぼ解決することだと思うので、次バージョンでは対応を期待したいところだ。
もっとも、様々な理由から「長押し」という操作が難しいというユーザーも存在するので、そこを考慮した設計になっている可能性もあり、この方法では解決に至らないのかもしれないが。

多少気になる点はあるものの総じて非常にコスパの高い製品だと感じている。今の日本の夏は、ちょっと外出するだけでも体の芯に熱が溜まるような “自分が熱い” 感覚となる。MJ-HF2は、小さくて92gと軽いので外出時に持ち出しやすいし、動作音も気になるレベルの大きさではないので、場所を選ばずさっと涼むのにはもってこいのアイテムだと言えそうだ。特にその良さを感じているのは、折り畳んで置いた時の目立たない大きさである。

黒いのはイヤフォンSOUNDPEATS Air3のケース

無印良品には、ワンサイズ大きい《充電式モバイルハンディファン MJ-MH2》も存在するが、そちらは折りたたみ構造ではないため、卓上に立てて置くとなかなかの存在感があるのだが、最小のMJ-HF2は、折り畳んでちょこんと置いておくと目立たず邪魔にもならず、片隅から静かな涼風を送ってくれるので、飲食店やカフェなどである程度長い時間過ごす際にも気兼ねなく使うことができて、購入時に想像していた以上に良い働きをしてくれている。

こうしたアイテムも活用しつつ、こまめな水分補給、無理せずに休憩をとる、活動する時間帯を選ぶなど、知恵を活かして今年も暑すぎる夏を楽しく愉快に乗り切っていきたいものである。

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