kishin 貴真

20220828

/PHOTOGRAPH

TakumarとNikon Df〈Ⅲ〉

Nikon Df:Asahi Opt. SMC Takumar 55mm F1.8 + Kenko AC CLOSE-UP No.4:ISO200 f4 1/60

続いて、補正レンズ付きのマウントアダプターを介してNikon Dfに装着してみる。

M42→Fマウント変換アダプター(補正レンズ付き)

こちらはちょっと厚みがあり、マウント面は3.5mm増加するため当然、画角の変化量も大きくなり、55mmレンズの場合にはおよそ1.3倍の72mmレンズ相当の画角になる。補正レンズは確かに機能しており、かなりのオーバーインフではあるものの遠景にもピントを合わせることができるようになった。

ただし、最短合焦距離も40cm → 48cmへと伸びてしまうのは仕方ない。

Nikon Df:Asahi Opt. SMC Takumar 55mm F1.8:ISO100 f5.6 1/1250

Nikon Df:Asahi Opt. Super-Takumar 135mm F3.5:ISO100 f5.6 1/500

また、補正レンズはやはり画質にも影響を及ぼすことが分かった。

レンズとの相性や撮影状況の得手不得手も多分にあるようだが、SMC Takumar 55mm F1.8の場合には、以下のような影響が感じられることが多い。
◉ボケが硬くなりちょっとだけ不自然になる(特に絞り開放で)
◉ピント部のシャープネスが若干低下する
◉色かぶりが発生し、レンズ本来の色味とは異なる印象となる

とはいえ、これらは画像をじっくりと細かく比較して感じられる影響なので、オールドレンズをゆるりと楽しむユーザー層ではさほど大きな問題とはならないのではないかと思う。

いくつかの有名メーカーが販売している2,500円~4,500円もする補正レンズ付きマウントアダプター(M42→Fマウント)の評判は、あまり好ましくないものも少なからずあり不安だったのだが、皆が(日本人気質の悪い部分が出て)極端にシビアに高品質を求めているだけなのか、私が入手した無名メーカーの安価な物がたまたま所有のレンズと相性が良かっただけなのか分からないが、私のタクマーの使用範囲に限って云うなら「全然OK」だ。

SMC Takumar 55mm F1.8 絞り比較:[左]f1.8 / [右]f4.0

初めてのTakumar。絞り開放f1.8ではソフトフォーカスレンズのような柔らかい描写が独特で、f2.8以下に絞るとピント面がキュッと締まって急に表情を変えるのが面白い。近接撮影なら、Nikon Dfでも十分に実用レベルの解像感があり驚く。ニッコールもそうだが、半世紀も前のレンズが今なお通用し得るレベルのイメージサークルを保持しているとは、当時の日本の技術者たちの熱意や探究心には本当に頭がさがる。

Nikon Df:Asahi Opt. SMC Takumar 55mm F1.8:ISO100 f2.8 1/125

Nikon Df:Asahi Opt. SMC Takumar 55mm F1.8 + Kenko AC CLOSE-UP No.4:ISO200 f4 1/60

Nikon Df:Asahi Opt. SMC Takumar 55mm F1.8:ISO1600 f8 1/40

当時から海外での評判も良かったのかもしれないが、今ではYouTubeを覗けば簡単に目にできる光景として、世界各国様々な言語を話すユーザー達がこうした時代のMade in Japanレンズを愛して興奮気味にその魅力を語っている、という事実も何ら不思議ではないことだろう。

Nikon Df:Asahi Opt. SMC Takumar 55mm F1.8:ISO800 f2 1/640

Nikon Df:Asahi Opt. Super-Takumar 135mm F3.5 + Kenko Low Contrast No.1:ISO200 f3.5 1/2000

旭光学工業のTakumarシリーズの作りは質実剛健という感じでしっかりと作られているが、どれもコンパクトかつ軽量な設計になっているので、複数本のレンズをバッグに入れて出かける時にはとても良さそうだなと感じている。それでも決してオモチャの写りではなく、しっかりとした描写が得られるのが嬉しくて、今後の出番は必然的に多くなりそうな予感がしている。

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