kishin 貴真

20210522

/THINK

昭和レトロなThe銭湯

久しぶりに天気が良かったので、外に出掛けたい欲が溢れた。
とはいえ、週末の人混みは避けたいので、最近Googleマップを見て気になっていた、混雑とは無縁そうな場所にSTRiDAに乗ってのんびり1時間かけて行ってみることにした。

目的地は昭和レトロなThe銭湯《日の出湯》。

この時期、温泉街やスーパー銭湯は人が多くてちょっと緊張感が漂ってしまうので行きにくいのだが、古くからやっているような町場の銭湯は早い時間帯であればかなり空いていることも珍しくはないのでのんびり湯に浸かるのは良い気分転換になる。

近所にも3箇所ほど銭湯はあるのだが、サイクリングがてら遠いところに訪れてみた。
橙色の丸い電球に手書きで「ゆ」と書いたような目印がとても味があってかわいい。

使い込まれていそうな暖簾をくぐって扉を入ると番台がある。430円の入浴料を払い、靴を脱いであがるとそこはもう脱衣所。新しさは無いが無駄なくシンプルに整えられている感じに清潔感があり居心地の良い銭湯だと思った。テレビなどの騒音も無く、扇風機の風切音だけが聞こえるような静かさも私好みで実に落ち着く。この日は幸いなことに、私が入るのと入れ違いで前の客が帰っていったので丸っと貸切状態であった。

浴室も見事なまでに簡素であった。

ペンキ絵は無く、壁沿いに10箇所のカラン、けれどケロリンと風呂椅子は7組だけ、そして中央に小さめの浴槽が据えられている。バイブラとか電気風呂とかサウナとか水風呂とかジェットバスとかそういった邪悪なものは無い銭湯の中でも最もシンプルな構成のひとつと言えるだろう。浴槽は中に仕切りがある“日”型で、構成は足を伸ばせる浅目タイプ+広島銭湯らしい三段型となっている。

ものを知らない若い頃はアトラクション的な感覚で色々なタイプの風呂があるのが楽しかったが、そういったものを散々経験して飽きた後に残るのは結局のところ、騒々しくない環境で、適温のたっぷりのお湯にゆったりと浸かれる幸福感、ただそれだけがあれば良いという感覚である。そうした時、町場の銭湯という存在が急に魅力的になるのだ。

すぐに湯船に飛び込みたい衝動を抑えて、まずはケロリンと椅子を取り、My銭湯セット(タオル・ボディソープ・シャンプー)で身体をしっかりと洗ったら、使い終わったケロリンと椅子をさっと洗って元の場所に戻す。

あとは湯に浸かり、ほぐされ、ぬるりと溶けてしまえばいい。
そこにはもう時間なんて概念は存在しない。

矢野 日の出湯

初めて行った昭和レトロなThe銭湯だったがとても気に入った。特に春・秋はふらりと銭湯に行きたくなる季節なので、今後も度々利用させてもらいたい。