kishin 貴真

20190401

  /  OTHERSPHOTOGRAPH

似島をふらり散策 後編

Nikon Df:NIKKOR-N・C Auto 24mm F2.8:ISO100 f5.6 1/1000

似島の海にきらきらと反射する陽光を眺めながら海沿いの道をSTRiDA(ストライダ)で走っていると、小学生の群れとすれ違った。後ろから「何あの自転車スゲェー」「最新のやつだよな!」という声が聞こえてくる。“STRiDA乗りあるある”とも云える光景である。

島の雰囲気を感じながら何やら記念碑的な場所を通ると、白アッシュ色の猫さんが暖かそうに陽光を浴びて静かに座っていた。「あったかそうだね」と声を掛けると、暇つぶしにちょうど良さそうなヤツが来たとばかりにすぐに寄って来た。野良猫さんの対応には、その土地の特徴が出るもので、ギスギスした場所に住んでいる猫さんは人間に警戒しているため、こんな風には寄ってきてくれない。きっとさっきの小学生たちにも仲良くしてもらっているのだろう。

Nikon Df:Voigtländer ULTRON 40mm F2 SLII Aspherical:ISO100 f2.8 1/2500

落ち着きなく右へ左へと私にからだを擦り付けているうちに、何やら見知らぬモノがあることに気が付いたらしく、パッと駆けて行ってちょこんと座って落ち着いた。STRiDAが気に入ったらしい。

しばらくそこであくびをしたり、毛づくろいを始めたり、STRiDAにからだを擦り付けたり、こちらを見て「乗せて〜」と云わんばかりに鳴いたりしている。そんな光景を撮影していると、乗せてもらえないことを悟ったのか、或いは絞りf2.8の被写界深度が窮屈になったのか、急にこちらに動き出すから↓こういうことになる。

Nikon Df:Voigtländer ULTRON 40mm F2 SLII Aspherical:ISO100 f2.8 1/2500

しばらくの間、柔らかく温かい毛並みを撫でながら一緒に日向ぼっこを楽しんだ後、お別れする。
島なので、もうちょっと色々な猫さんに会えるかなぁと期待していたのだが、この日に出会えたのはこの子ひとりだけだった。でも人懐っこくて良い子だった。

モノクロームでちょっと古めなものを撮った写真に漂うノスタルジックな雰囲気がどうしても好きで、かなりの比率でモノクロ撮影をしてしまう。肉眼では見ることのできない画に新鮮さを感じるのだろうか。或いは、モノクロだと、レンズの色乗りがどうとか、ホワイトバランスはどうしようとか、そうした“色彩”に関することを考えなくても良くなることがより撮影を気楽で楽しい体験としてくれることも起因しているのかもしれない。RAWで撮っておけば、後でカラー現像することもできるという安心感も大きいのだろう。

Nikon Df:Voigtländer ULTRON 40mm F2 SLII Aspherical:ISO100 f4 1/800

Nikon Df:Voigtländer ULTRON 40mm F2 SLII Aspherical:ISO100 f2.8 1/400

Nikon Df:NIKKOR-N・C Auto 24mm F2.8:ISO100 f2.8 1/2500

海を広々と眺めることができる場所に辿り着いたので、そこで少しぼんやりと休憩している時、海面からは随分と高い位置にあるのに何故かヒトデさんが横たわっているのを発見。ULTRON 40mmにはマクロ撮影が可能となるクローズアップレンズが付属していて、この日は珍しくそれも持ち出してきていたので、当然マクロ撮影してみる。

ヒトデさんは遠目で見ると星型でかわいいねぇという感じなのだが、初めて寄りで見た此奴は、想像していたよりもずっとホラーでグロテスクな構造体になっていて、「ヒトデ」というよりは「ビドデ」という様相でちょっとだけ引いてしまった。

Nikon Df:Voigtländer ULTRON 40mm F2 SLII Aspherical Close-up Lens:ISO100 f2.8 1/2500

海景に眼を戻して、ビドデは見なかったことにする。

Nikon Df:NIKKOR-N・C Auto 24mm F2.8:ISO100 f8 1/1000

この記事で掲載したモノクロ写真は全て、最近特に気に入って微調整を繰り返しているカスタムピクチャーコントロールを適用して撮影したものである。トーンカーブはかなり満足のいく仕上がりに近づいてきており、似島での撮影で更なる調整の課題が見えたのは収穫。

LightroomでのRAW現像ももちろんするが、JPEGの撮って出しというスタイルも現地での一発勝負的な緊張感を高めてくれる意味においてそれはそれで嫌いではない。

Nikon Df:NIKKOR-N・C Auto 24mm F2.8:ISO100 f11 1/100

Nikon Df:NIKKOR-N・C Auto 24mm F2.8:ISO100 f11 1/100

2時間半ほどかけて似島をぐるりと一周する頃には陽も随分と傾いて、少しだけ空気もひんやりとしていたが、心持ちは穏やかにのんびりとした時を過ごせた充足感で満たされていた。島巡りはやはり愉しいことが分かったので、また近いうちに別の島にも足を踏み入れてみようと考えつつ、復路のフェリーに乗り込んだ。

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