kishin 貴真

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20230726

/ARTDESIGN

アルフレド・ジャー展

FUJIFILM X-E1:YASHICA AUTO YASHINON-DS 28mm F2.8:ISO200 1/1200

比治山スカイウォークを抜けて、ちょっと小高い比治山の上にある美術館に向かう。数年の閉館を経て、ようやく今春にリニューアルオープンした広島市現代美術館だ。

FUJIFILM X-E1:YASHICA AUTO YASHINON-DS 28mm F2.8:ISO200 1/3000

今、開催されているのは《アルフレド・ジャー展》なので、それを観に行ったのだが、リニューアル後は初の来訪となるため、まずは館内をブラブラ見て回る。建物を立て直した訳ではないようなので構造は変わっていないが、館内レイアウトが細かく変更になっているのを感じた。

当然、全体的に綺麗になった。
そして、トイレの男女サインが分かりにくくなった。

近年多いのだが、現代的に “オシャレ” にしようと頑張るのはよいのだが、その結果として、どちらが男性で、どちらが女性を表すマークなのか分からないものをよく見かけるようになってしまった。ここでも残念ながらそのパターンになっていて、マークを見ても判別できず、漢字の「男」という表記を見つけて分かった。デザインの敗北例である。

ここでは敢えて正解は書かないでおくので、現地に行って答え合わせをしてみるとよいだろう。果たして、どのくらいの人が正解できるだろうか。ちなみに私は、形象から受けた印象では逆の意味として捉えてしまっていた。

FUJIFILM X-E1:YASHICA AUTO YASHINON-DS 28mm F2.8:ISO200 1/200

荷物を預けるのに、以前から100円返却式のコインロッカーは設置されていたが、リニューアル後からはコードでロックするタイプも追加されていた。スーツケースなどの大きな荷物の持ち手にコードを絡ませてから、交通系ICカードをピッとかざせばロックされるというもので、ちょっと使ってみたところ、モバイルSuicaをインストールしたiPhoneでも問題なく使えた。

近年は何でも独自のアプリやシステムを開発して‥そして失敗するという事例が多いようだが、上記のように既存のシステムを活用する方がユーザーとしてはシンプルで嬉しい。上記の例では、客が持っている交通系ICカードやスマホをロック/ロック解除の専用キーとして機能させるというスマートなアイディアを採用していて好印象だ。

FUJIFILM X-E1:YASHICA AUTO YASHINON-DS 28mm F2.8:ISO200 1/800

“われらの狂気を生き延びる道を教えよ” というネオンサインが出迎えるアルフレド・ジャー展に入る。

作品数自体はNo.1~No.9までと少ないのだが、1点々々が興味深くて、何故これを創ろうと思ったのか?という点に想いを馳せると、充実した展になっていると感じた。

FUJIFILM X-E1:YASHICA AUTO YASHINON-DS 28mm F2.8:ISO200 1/160

FUJIFILM X-E1:YASHICA AUTO YASHINON-DS 28mm F2.8:ISO200 1/640

特に、8分の映像+αで構成されている〈サウンド・オブ・サイレンス〉については多くの人が考えさせられるものがあると思う。日本語版/英語版が用意され、交互に上映されているが、私はまず日本語版を観た後に、一旦落ち着いて想いを巡らせてから今度は英語版を観てみた。言葉の違いが印象の微妙な違いを生み出しており、作家自身の思惑はきっと英語版のニュアンスの方に近いのだろうなと感じた。

FUJIFILM X-E1:YASHICA AUTO YASHINON-DS 28mm F2.8:ISO200 1/60

2時間弱、ゆっくりと久しぶりの現代美術館を満喫して会場を出た。そこに設置された小さなモニターには映画のようなエンドクレジットが流れていた。こういう演出は初めて見たが、展にも流れがあり、鑑賞する人によってそこで体験することも様々であるから、映画を見終わった後と同様に少しのあいだ余韻を愉しむのにこういう演出は悪くないなと感じた。

この演出がアルフレド・ジャー展だけのものなのか、ゲンビの標準スペックなのかは不明だが、後者として毎回あるといいなと感じた。次回は、11月から開催される特別展《ガラスの器と静物画》を愉しみにしている。

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