快晴の週末、Nikon DfとKenko MC SOFT 85mm F2.5を持ってフェリーに乗り込み、江田島にポタリングに出かけた。
三代目ストライダになってから初めての遠出。
二代目が自分では修理不能な状態になってしまったのを機に、状態の良いものを中古で見つけて購入した三代目ストライダだったがここ最近 “ギシギシ音” が発生していたため、おそらくの原因として考えていたベルトの締め過ぎでテンションが高すぎるという点を前日にメンテナンスしておいた。その甲斐あって、ポタリング当日は異音は解消されて気分良く一日乗ることができた。
この日は、先日入手したソフトフォーカスレンズKenko MC SOFT 85mm F2.5を使い倒してみようと考えていた。
せっかく島に来たので、とりあえずは海沿いのサイクリングロードをゆっくりと走りながら気になるものがあれば止まってじっくりと撮影して、また走り出す。そんな感じで、昼食・カフェ・日帰り入浴などのざっくりとした目的地だけを決めて一日中ぷらぷらと撮影を楽しんだ。
ソフトフォーカスレンズの本領発揮といった被写体の花。柔らかく溶けてくれる。
黒背景に整理すると、より光感が強く感じられてこのレンズの面白さが味わえる。
最大絞りのF8まで絞ると意外にもカリカリな写りになるので、こうしたハイコントラストな設定のJPEG撮って出しでも結構キマるのは意外であった。こういう2面性を持つレンズだと「どのレンズを持って出掛けようか」と考えるときに候補に挙がりやすい。
ソフトフォーカスレンズらしからぬ描写。最大絞りがF8までというのが悔やまれるところ。
こういう、光と芯がある被写体ではソフトフォーカスレンズはとても雰囲気のある画を見せてくれるので愉しい。発色も素直で非常に使いやすいレンズであることが再認識できた。
風景の切り取りではソフトフォーカスレンズの使いどころはなかなか難しいが、整理できる構図ならソフト効果も結構面白いなと感じた。また、普通のレンズでは撮影しないような光景でも、ソフトレンズなら撮ってみようと考えることも多々あって、そういう相互作用も興味深い。
こうしたグラデーションの多い光景は、Nikon Dfで撮影すると本当に心地よい画になる。
1625万画素という、センサーの大きさに対して少ない画素数がゆとりのあるダイナミックレンジを生み出していて、結果として破綻の無い豊かなグラデーションを描き出してくれる。Dfの入手前には、2416万画素もあるD5300を使っていたが残念ながら心地良い画とは感じなかったものである。画素数は多ければ良いというものではないのがDfを使うとはっきりと理解できる。
ソフト効果とはグラデーションであるから、Dfとの相性も必然的に良いと言えるだろう。
一日使ってみて、このレンズの使い方が分かった。ソフトさもシャープさも中途半端になるF5.6付近はまず使わず、F4以下でソフトに溶かした描写にするか、逆に最大F8まで絞ってシャープな画を作るかだろう。85mmという画角には親しみがなかったのだが、使ってみるとポタリングにはちょうど良い画角に感じられたのも収穫だった。
Kenko MC SOFT 85mm F2.5は、Voigtlanderの20mmと40mmに並んで、今後持ち出す機会が多くなりそうなレンズとなった。