kishin 貴真

20170115

  /  OTHERS

世界を抱えて落ちてゆく

初雪 雪解け 雫

初雪。
早朝、路に降り積もった軽く厚く重なった層に足を踏み入れると、ぎしぃぎしぃと音を立てて一歩一歩を受け止めてくれる。この感覚に道産子の血が騒ぎ、雪降る日特有の寒さも相俟って心地よい。

雪が舞う中を歩く時、周囲の空間全てに白い粒子が配置され、その粒子の位置が刻一刻と変化する。そうした中に身を置くことで、普段は意識することもない、空間が “空間である” という事実がとても明瞭に感じられ不思議と、未知なる世界に生まれ変わったような新鮮な気持ちになる。

雪が止み、陽光が降り注ぎはじめると、其処彼処で光の粒子が落下し始める。

屋根から、電線から、木の枝から葉っぱから、雪解けの雫がキラリと光りながら大地に還る。
その雫一滴々々はレンズのように太陽と空と大地をまるごと抱えるように写し込みながら落ちてゆく。

一滴々々に青空があり、一滴々々に太陽がある。
一人々々に未来があり、一人々々に希望がある。

静かに膨らみ産まれ、ほんのひと時キラリと光り、やがて大地に還っていく。

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