kishin 貴真

20180609

  /  OTHERS

アイアンペイントで手軽に金属質感

ターナー アイアンペイント

D.I.Y.で作成した台の仕上げとしてどんな塗装にしようかと考えていた時、以前どこかで見かけた“アンティークな金属の質感”に仕上げることができるという塗料のことを思い出した。

検索してみるとターナー色彩株式会社の〈アイアンペイント〉という商品が気になった。

「塗るだけで金属のような質感」というキャッチコピーのアイアンペイントには全6色が用意されているが、私がイメージしている重く静かな雰囲気を醸してくれそうなアイアンブラックと、混色用にアイアンブラウンの2色を入手して試してみることにした。

ボトルの蓋を開けて見てみると、粘度が高いかなりドロリとした塗料となっている。

早速、刷毛に付けて木部に塗ってみる。隠蔽力が高いため1度塗りで下層の色は全く見えなくなる。粘度が高いため厚塗りがし易いのは良い。木材の場合には木目があるため、普通に塗っただけでは木の色は隠れても木目パターンは思いの外、表面に出てきてしまうので厚塗りは必須のようだ。

特に、アンティークな…というか、昔のように製造品質が高くなく表面が均一ではない年代物っぽい金属の雰囲気を出すには、普通の塗装のように刷毛で撫でるように塗るのではなく、毛先で軽く突き刺すようにしたり、刷毛の側面でトントンと叩くようにして、表面に凹凸が残るような塗り方をするのが、この塗料の魅力を最大限に引き出す塗布の仕方だということがすぐに分かった。

水性塗料であるため乾燥は早い。早すぎるくらいである。

無論、気温や湿度にも大きく影響されるのであろうが、塗っているそばから乾燥していく感じなので、30分くらいかけて塗るような物だと、最後の箇所を塗り終わる頃には、最初に手をつけた場所はすっかり乾燥しているような状態となるため、表面の凹凸感の調整は最初からやっておく必要がある。とりあえず塗料だけを乗せておいて凹凸感は後で調整しようとすると、硬化が進んでしまい形を変えられなくなるので注意が必要だ。

Turners IRON PAINT

アイアンペイントの仕上がりの雰囲気は良好。

金属っぽくなるかどうかは塗る部分の材質や形状、塗り方にもよるのだが、雰囲気を一変させる効果が高いことは確かで、隠蔽力が強い/水性で臭いが少ない/乾燥に時間がかからない/必要なら重ね塗りも容易などの点から使い勝手が良く、気軽に試してみる価値のある塗料だという印象を持った。

一般的な塗料と同様にアイアンペイント同士の混色も可能なので、1度目は単色で塗り、2度目は微妙に色味を変えた混色で敢えてムラができるように重ね塗りをして経年劣化感や軽度の腐食感を演出するという使い方も難しくない。

木部・塩ビ・紙・ダンボールといった推奨されている基底材に関してはもちろん直接塗ることができるが、アイアンペイントは推奨されていない金属やガラス、コンクリートやプラスティックに使用することも可能。ただしその場合には、まず基底材への吸着を補助する目的の〈マルチプライマー〉と呼ばれる“つなぎ”となる塗料を薄塗りして乾燥させてから、アイアンペイントを重ね塗りすることになる。

実際に、マルチプライマーの性能を検証してみた。
検証に使用したのは、BEEFEATERの空き瓶。まず、側面上半分にマルチプライマーを薄塗りして24時間放置して乾燥。その後、側面を上下に分けてアイアンペイントを厚塗りして12時間乾燥させた。

マルチプライマー

しっかりと乾燥しているのを確認してから、#80の紙ヤスリで押し付けるようにして10回擦ってみた結果が写真の通り。マルチプライマー無しの方は擦った部分が塊で剝げ落ちるような結果となったが、マルチプライマー有りの方はかなり吸着がしっかりとしていることが見てとれる。これを使用すれば、アイアンペイント活用の幅がぐっと広がるので覚えておいて損はないだろう。

金属やガラスにアイアンペイントを使用する場合には、一手間増えるが、しっかりとマルチプライマーを介した塗布をしておいた方が後々の安心につながるだろう。せっかく塗った塗装がすぐに剥がれてしまったら悲しくなってしまうのはきっと誰でも同じに違いない。

使い易いアイアンペイントなのだが、ひとつ注意点を挙げるとするなら、アイアンペイントは水性塗料ではあるが、乾燥後には耐水性となるため、作業後の刷毛や容器などは乾燥してしまう前に洗うことは重要で、水性だからと気を抜いて長時間放置してしまうと道具が使えなくなったり、洗浄には溶剤が必要になってしまう可能性もあるので、その点だけは気をつけた方が良いだろう。

ちょっとした作業で手軽に雑貨や家具の表情を変えることができるアイアンペイント。
普通の塗料では得られない質感を楽しむことができるので興味があれば是非試してみると良いだろう。そうして一手間かけたモノには不思議と愛着が湧くもので、なんて事のない一品がお気に入りのアイテムに変身してくれるかもしれない。

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