kishin 貴真

20170330

  /  ART

ポリマークレイを捏ねてみる

FIMO SOFT フィモ

近頃、無性にカタチを造りたくなっていて、何か良い素材はないものかと探していたところ〈樹脂粘土=ポリマークレイ〉というものに辿り着いた。

通常の粘土のように柔らかく、手で捏ねて造形し、オーブンで低温加熱することで硬化してプラスティックのような質感になるという、なかなか面白い素材。加熱のためのオーブンを所有していないという理由で最初は躊躇したものの、やはり試してみたい欲求を抑えきれなくなったので、最安値のオーブンと共に購入してみることにした。ポリマークレイにも色々と種類があるようだが、とりあえず評判の良さそうな《FIMO SOFT》を選択。

注文したオーブンが届いたので、早速ピザを焼いて食べてみた。
近所のスーパーで見つけたMiaというスペイン産の安価な赤ワインが美味しくて気に入っている。

ついでに樹脂粘土も焼いてみた。実際に使ってみるとなかなか奥が深く試し甲斐のある素材。

粘土なので簡単に変形できるのだが、反面、薄い形状や細い形状などでは針金などで芯を設定しないことには形状を保てないくらいの柔らかさなので、目的の形状次第では思いのほか造形に手間取ることが分かった。

また、粒子レベルでみると目が細かく表面の再現性が高いため、普通に指で表面を整えると指紋が残り、加熱成形時にも指紋がそのまま定着してしまう点は扱いが難しい。柔らかいうちに指紋を均してしまうか、硬化後にヤスリがけで指紋を除去するなどの対応が必要となる。

加熱に関しては、その前後で大きさがほぼ変わらないという点は非常に良い。

陶器の窯焼や、一般的なプラスティックの成形では、加熱/冷却の過程で多少なりとも収縮が発生するため、そのことがヒビ割れの原因や思いがけない形状の問題を引き起こすことが珍しくなく、その点を熟知して造形をしなければならないことを考えると、低温加熱でほぼ形状に変化を生じないという特徴は素晴らしく扱いやすい。

ポリマークレイ フィモ

とりあえず、造形のコツを見極めるためと、そして表面処理の方法を実験するためにボタンを2個ほど作ってみた。型などは使用せずに2つのボタンを成形して加熱硬化、その後、紙ヤスリで表面を整えた。FIMOの場合は、ポリ塩化ビニルを主成分としているため、硬化後にはそれなりに硬い樹脂となる。だが、ヤスリや彫刻刀などを使用すれば、木材ほど容易にではないが、比較的簡単に表面を削ったり整えたりすることは可能である。

ヤスリに関しては、まずは#80〜#100程度の荒さで形状の大部分の調整や指紋の除去を済ませ、#240程度で表面のガサガサをならし、#600〜#800で磨き上げるという感じが良いようだ。この場合、#800で仕上げた表面は艶消しで落ち着いた質感となり手触りもサラサラとした良いものになる。ここから更に、練りタイプのコンパウンドで磨くことによりある程度の艶を出すこともできる。

樹脂粘土 テンセル

せっかく作ったので、最近購入したKATHARINE HAMNETTのテンセルジャケットのボタンと差し替えてみた。このジャケットは、ユーズド風味の仕上げにテンセルのヌメリ感のある手触りが相まったものでなかなか気に入っているのだが、その雰囲気にFIMOのお手製ボタンはかなりよく似合っていて更に気に入った。

ポリマークレイ ─ まだまだ使い始めたばかりなので、造形のコツや素材特性は掴みきれていないし、FIMOに限って云えば『SOFT』以外にも品質が高く硬めの『PROFESSIONAL』というシリーズや、蓄光して暗闇で光る『Nightglow』、更には仕上げ用の専用ニスなども用意されているようなので、色々と試しながら素材の特性をつかみつつ、造形を楽しんでみたいと思っている。

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