騒々しくめまぐるしい世界の中にあって、感情や思想を荒々しく押し付けたりすることなく、ふと深呼吸をするように心をリセットできるような、静かで包容力のある寡黙な作品をめざして。
空間の中のある任意の一部を不変化し定着させる。非日常的な形態の内部に凝縮された時間と圧力が、その反動のように外側へと膨張しながらも力の均衡を保ち留まり続ける。それは増えず減じず周囲の空気を平定し、哲人のごとく対話のためだけにそこに居て、静穏に耳を傾け、聞き取れぬ声でささやく。