kishin 貴真

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20220629

/OTHERS

夏越大祓

2022年も、はや半年が過ぎようとしている。唐突な梅雨明けにより日中には猛暑酷暑が我が物顔でそこら中を闊歩している。冷房の効いた室内で作業をしていても、外の熱気が明確な意志を持って忍び込んでくるようで、集中力が途切れがちとなる。そんななか、一日ぽっかりと予定が空いたので、近くの神社に夏越大祓のために参ってきた。

一般的には六月の晦日に行われる夏越大祓だが、訪れた空鞘稲生神社では1日早い29日の夕刻より夏越祭が執り行われるようで、参道では屋台の準備が始まっていた。

日陰になっている参道を涼みながら進むと、明るくひらけた場所で大きな茅の輪が出迎えてくれた。無病息災・健康長寿・家門隆昌を祈念しながら左・右・左と八の字に輪をくぐって神前に向かう。神社という空間は好きで、ふと思い立った時によく訪れるのだが、茅の輪に出会えるのは一年の内でもごく限られた期間だけなので、ちょっとだけ特別感があり祈念する気持ちはいつにも増して寧に寧にとなる。

帰りに社務所を覗いてみると、直径12cmほどの可愛らしい小さな『茅の輪守』なるものが目に入ったので、初穂料を払っていただいて帰ることにした。夏越の月限定で出しているものだというこの小さな茅の輪をどこに吊そうかと考えて、やはり自分的に一番重要な場所である作品作りをしている部屋の壁にそっと吊るして見守ってもらうことにした。

ぱらぱらと茅の輪をくぐりにくる人々を横目に見ながら神社を後にして、そこからほど近くにある御菓子所 高木で涼やかな和菓子〈水無月〉を購入して帰った。

無事に過ぎた半年に感謝し、これからの半年を楽しみにしつつ、冷蔵庫で冷やしておいた水無月を黒文字でつついて味わう、そんなまったりとした暑い午後である。

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