kishin 貴真

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20220126

/OTHERS

ティランジアの在る生活空間

Nikon Df:Ai Micro-NIKKOR 55mm F2.8S+K&F Black Diffusion 1/4:ISO200 f2.8 1/400

何かのきっかけで、青銀色の容姿が美しく優しい表情の植物を目にして、それが “エアプランツ” と呼ばれている植物であると知り、ちょっと興味を持って調べてみると管理は比較的容易な植物種であるようだったので、自分の生活空間にお迎えすることにした。

ティランジア(エアプランツ)の植物は、ネット通販やメルカリなどの個人ルートからでも入手出来るが、工業製品とは異なり植物は個体ごとに異なるため、やはり店頭で対面して「あぁ、いいなぁ」と素直に思えるシェイプの個体を選びたいということで、ティランジアを扱っていそうないくつかの園芸店やホームセンターを数日かけて見てまわり、気に入った3つの個体を連れて帰ってきた。

まさにパイナップルの頭のような葉形の『カピタータ(capitata)』、ウネウネとメデューサの頭髪のようで独特な葉形の『カプトメデューサ(caput-medusae)』、そして、ティランジアに興味を持つきっかけとなった、産毛=トリコームを纏った銀葉が美しい『テクトラム(tectorum)』。それぞれ、まだ小さな個体を選んだ。まずはこの者どもを丁寧に育ててみたいと思っている。

せっかく “土は不要” という性質を持っているのだから、エアリーに吊るして鑑賞したい。
はじめは手元にあったホビー用のアルミニウムワイヤー(φ1mm)を使って吊るしてみたのだが、シルバーの冷たい色味がティランジアには似合わないなと感じたので、アンティークな雰囲気もあり柔らかい色調の真鍮線を取り寄せてみた。

真鍮線は、様々な太さのものが安価かつ容易に入手できる。手で力を加えれば比較的簡単に形を変えられるけれど、意図的に変形させようとしなければ形は保持されるという適度な硬性・延性を持っていて扱いやすい。重量の軽い小サイズのティランジアなら細い真鍮線でも危なげも無く支えられる。

候補としてφ0.9mm、φ1.2mm、φ1.6mmを挙げ、どの太さを選ぶか迷ったが、ワイヤーが主役にならないように一番細いφ0.9mmに決めた。これ以上細い真鍮線ももちろん販売されているが、細すぎると葉に食い込んだりして傷つけてしまいそうなので、これくらいの太さがバランス的に良いだろうと考えた。

Nikon Df:NIKKOR-S Auto 55mm F1.2+Kenko AC CLOSE-UP No.2:ISO200 f2 1/640

Nikon Df:NIKKOR-S Auto 55mm F1.2+Kenko AC CLOSE-UP No.2:ISO200 f2 1/2000

カピタータとカプトメデューサ用には根元の部分を差し込むような壺形状に真鍮線を形造り、テクトラム用には繊細な葉にストレスをかけないように皿形状に乗せるイメージで真鍮線を形造った。シンプルだが、風通しの良い環境を好むティランジアたちは居心地良さそうに見えるので、しばらくはこの状態で管理してみたいと思っている。色味についてもやはり真鍮にして正解だったなと満足している。今は新しいので艶があるが、今後、酸化などの劣化が現れてくればアンティーク調の雰囲気になって更に良くなるだろうことを期待している。

ティランジアを育てるのは初めての事なので、まだまだ勝手が分からない部分もあるのだが、季節ごとの扱いの違いなどを少しずつ実践で学んでいくのも愉しいし、毎日観察してティランジアにとって良い環境の作り方を少しずつでも習得していければと思う。そしていつかは、やはり花を咲かせる光景を見てみたいものである。

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