《Kenko Black Mist No.05》は、存在を知ってすぐに注文したソフトフィルターであるが、発売されてまだ間もないことや、人気の製品ということもあって未だ入荷待ち状態でなかなか手元に届かない。
急ぐことも無いので気長に待つつもりではいるのだが、このフィルターの元になった《Kenko Black Mist No.1》はすぐに入手できたので、No.05が届くまでの間にこちらを試してみることにした。
Black Mistは、微細な黒い拡散材を光学ガラスに内包したソフトフィルターで、画面を白っぽくしてしまわない特徴があるということなので、曇天の中をふらふらと散チャリしながら、ちょっと重めな雰囲気の被写体で試してみた。
ブラックミストは、ソフトフィルターと言ってもわざとらしくふんわりさせるような効果ではないのが極めて使いやすく好印象であった。シャープネスが損なわれることもなく、ハイライトがトゲトゲせず、シャドーは沈みすぎずに、全体の画としてコントラストを程よく抑えて静かに落ち着いた雰囲気にしてくれてとても心地よい。
雰囲気として、デジタルの悪い意味でのクリーン過ぎる質感から逃れて、程よくアナログの匂いが漂うような、そんな写真が撮れるとても良いフィルターだと感じた。絞りを開放寄りにして敢えて周辺光量を落としたカットにもよく似合う。これはレンズにつけっぱなしにして常用してしまいそうな予感。
No.1はすっかり気に入ってしまったので、No.1の効果を半分にしたというBlack Mist No.05への期待も膨らむばかりだ。年内には手元に届いてくれたらいいなぁと願いながら、残りひと月余りとなった波乱の2020年を過ごしていこうと思う。