長年愛用しているレンズのひとつがVoigtländer ULTRON 40mm F2なのであるが、このレンズの写りがあまりにも好みであるため、同じVoigtländerのCOLOR-SKOPAR 20mm F3.5にもずっと興味があった。

しかし、何年も前に製造終了しているレンズであるため、入手するには中古品を探すしかなく、中古ショップやオークションで稀に見つけても状態と価格のバランスが良いものがなかなか見つからないというのは珍しいことではないので気長に探していた。

そして先日、ようやく巡り合ったCOLOR-SKOPAR 20mmは、定価の半値ほどなのに状態は新品同様、更には箱を含めて付属品まで揃っているという、このレンズにすれば奇跡と言っても良い条件で手に入れることができた。神か悪魔かそういった何者かが戯れにちょっと動いた気配、そんなものを感じる出来事もごく稀にだが起こったりするのが現世の面白さだ。

手前がCOLOR-SKOPAR 20mm F3.5 SL II Asphericalだが、超広角にして40mmレンズとほぼ同じサイズというコンパクトさはそれだけで大きなアドバンテージである。

予約しておいたKenkoのフィルター《Black Mist No.05》もちょうど良いタイミングで届いたので、フォクトレンダーとブラックミストで晩秋の夕景を撮りに出かける。最近は少々忙しすぎて眼の疲れがなかなかぜんぜん取れないため、ディスプレイと距離を置くこうした時間も重要なのである。

Voigtländer COLOR-SKOPAR 20mm F3.5のレビューは既にいくつも読んでいたためその性能や個性は大体理解していたので、実際の撮影後の印象も「なるほど、レビュー通りだな」という感じではあったが、想像していたよりも解像力が高いのはとても評価できるし、レビュー通りの絞り開放での盛大な周辺減光はLightroomの現像で容易に補正できるレベルなので問題ではないし、これはこれで補正せずに意図的に使えば面白そうだなという感じもあって、ULTRON同様に長い付き合いになりそうなレンズである。

KenkoのBlack Mist No.05については、No.1同様に、これを付けると光が強くコントラストが高い条件での撮影でも光のコントロールがし易くなる印象があった。

この日は、フィルターの効果についてシビアに検証するような気が無かったのでざっくりとした印象でしかないのだが、レンズを交換したりフィルターを入れ替えたりして撮った写真はどれも結構好みの雰囲気になっていたので、Black Mist No.1＆No.05は、私の感覚に合ったフィルターであるということだけは確かである。

近いうちにNikon DfとVoigtländerの20mmと40mm、それにBlack Mist No.1＆No.05だけをバッグに放り込んでまるっと一日撮影散策しながらのデジタルデトックスをしたい。