kishin 貴真

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20180312

/ART

まぶたの向こう側

三桝明子 ART FACE

本川町のLapis Galleryで開催されている《三桝明子 作品展 MIMASU AKIKO EXHIBITION》を覗いてきた。

とても心地良く暖かい空模様であったので、ここ最近の心身の疲労を癒すべく、今日は終日休みということにして、STRiDAに乗ってぶらぶらとのんびり北に向かう。

ギャラリーに行く前に小腹が空いたので、ちょっと遠回りして久しぶりに《つばめ》で中華そばを食べることにした。店に到着したのはちょうど開店の11時30分。入店すると「そばひとつ?」という声が飛んでくるので、こちらは指を一本立てて(中指ではない)、それで注文が完了するシンプルシステムだ。

スープを飲み干して店を出る頃には席が埋まっているところは相変わらずの人気ぶり。

再びストライダにまたがってのんびり走る。途中、廣瀬神社に立ち寄り、祀られている〈美の女神〉に日頃のお礼にと参拝した後、ようやくLapis Galleryに到着。

Lapis Gallery

このギャラリーは、窓の外に太田川を望む、静かで穏やかな空間。広さはさほど無いが明るい陽光が適度に流れ込み良質な空気に満ちている居心地のとても良い場所である。

扱う作家も、その空間に似合うようなどこかノスタルジックでいて穏やかで、耳元でそっと魔法の言葉を囁きそうな雰囲気のある作品を手がけている方が多く、そして何より、作品としての魅力/質の高さが毎回とても魅力的であると感じている。

三桝明子 ART FACE

今回の三桝明子氏の作品も静かだ。

ART FACE ─ まぶたを閉じてそこに居る。動きはない。けれど魂は宿っている。ひとつひとつの“顔”を見つめてみると、それぞれに個性があり、閉じられたまぶたの向こう側にもまたそれぞれに異なった表情や想いを感じとれるようで、静かなのに強く惹き込まれる生命感がある。

ひとつずつじっくりと繰り返し見つめていると、明らかに訴えかけてくるものが別格な子が一人いることに気がつく。それが作品として突出した仕上がりになっているということなのか、或いは、私の感性との相性という点で特別な一品ということであるのかははっきりとしない部分ではあるのだが、こういう時、大抵はその作品はすでに『売約済み』となっていることが経験上多かった。

しかし今回は、展が開幕してまだ翌日ということもあってか気に入ったその作品が、珍しく購入できる状態にあった。どう考えても手元に置いておきたい作品であることは間違いなかったため、譲っていただくことにした。

展の最終日となる3月18日までは引き続き展示されることになるので、残念ながら連れて帰ることはできなかったが、しかし良い作品はできるだけ多くの人に観てもらった方が幸せでもあるから、最終日までのもう数日のあいだは私が選んだ〈ART FACE〉も、仲間たちと一緒に来場者を丁寧にお迎えすることだろう。

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