明るい休日、午後にふらりと出掛けて春と太陽を感じてきた。
平和記念公園は大勢の観光客で大賑わいで、三分咲きの桜を前に軽い花見を愉しんでいる。

その中をSTRiDAでゆっくりとすり抜けて、タンドリーチキンサンドを買うためにMisaki Bakeryに向かったものの、この日の陽気で盛況だったのか、既にパンはほとんど売切御礼だったのは仕方がない。

近くのLapis Galleryを覗いていく。この日からしばらくの間、いつもの作家個展とは違った趣きのイベント『&.』を開催していた。私も作品を購入させていただいて部屋に飾っている千葉真弓さんやayumさんの作品も少しだが展示されていたのでそれを見てきた。やっぱり好きな雰囲気の作品たちだ。

帰りに千葉真弓さんの猫の版画がパッケージに使われているK.SAVEURのクッキー缶を購入した。

このあたりの川沿いは広々としていて居心地が良いので、気持ちよく晴れた週末にはのんびりと過ごすために人が集まっていることが多い。この日は食べ物の出店まであって随分と賑わっていたので、少し北に移動して新設のスタジアムも越えて人がまばらになる辺りで腰をおろして読書をすることにする。

本を開く前にクッキー缶を開くと、猫さんが登場。

クッキーを1枚つまみ、かじってみるとすごく美味しい。K.SAVEURのクッキーは初めて食べたのだが、単純なサクサクでもなく、しっとりでもなく、ザクジュワという印象の食感で、程よい歯応えに溶け込んだバターの旨みが広がってくる感じはすごく好み。他にもいくつかの種類のクッキーが詰め合わせになっていたが、それぞれが個性的でどれもワンランク上の美味しさという感じで、ここのクッキーのファンになってしまった。

パティスリーの店舗は広島市内からはちょっと距離がある長楽寺なので頻繁に通えはしないが、またSTRiDAで安佐動物公園に行く際には帰りにお土産としてクッキーを買って帰ることになりそうだ。

そんなことを考えつつ、心地の良い陽光の中で時折聞こえてくる子供達の生命力いっぱいのはしゃぎ声を聞きながら、のんびりと美味しいクッキーをかじっては本を読み進めた。

気がつくと最後の1枚になっている!? 誰だ、私のクッキーを食べちゃったのは。
猫さんが呼んでいるような気がしたので、本を閉じて、近くにある猫スポットに立ち寄ってから帰ることにする。

今日は三毛さんがひとりで日向ぼっこをしていた。
怖がらせないように少し離れた所から声を掛けると最初は眠そうにしていたが、そのうち近づいてきて目の前でゴロンとしてくれたので太陽に干されて暖かい毛をもふもふさせてもらった。

写真も少しだけ撮らせてもらう。
冬のうちにeBayで入手していたPANAGOR PMC AUTO MACRO 90mm F2.8をようやく持ち出せる季節になってきた。このレンズで猫さんを撮るのは初めてだったが、90mmでもマクロレンズなので自由に近づけるし、思いのままの良い距離感で撮れて使いやすいレンズだなと感じた。

この時、ちょっと不安そうに見つめる視線の先には、ザザッザザッとわざと音を立ててガサツに落ち葉を蹴散らして歩く男が通り過ぎていく後ろ姿があった。怖いよね。人間だってああいう人間は怖いからね。

いつも居る他の猫さんがいないか辺りを見回すと、木の上で鳴き声がした。
よく見てみると、茶色いのが枝の上で鳴いていて、その先にももう一匹いた。恋の季節らしい。

あちこちが色づき始めて、またカメラを持ち出すのが愉しい季節がめぐってきた。

カメラ本体は相変わらずNikon DfとFujifilm X-E1だが、冬の間にM42レンズが数本増えた。Panagor 90mm Macro、Carl Zeiss Flektogon 35mmが2種、Yashinon 35mm。それらを春に夏にと持ち出して、さぁてどこに行こうか、愉しみである。